一夜明けて、今日。あの巨大なクジラのような100年会館、エントランスから階段を上がり、少し右に回り込むようにして巨大なクジラの脇腹に入り込む。あのライブは現実のことだったのか、誰かに聞きたい気持ちになる。確かめたくなる。
昨日の俺。今回はアンコールのあと、最後に顧問として舞台に立ち挨拶をして緞帳が降りるというエンディング。なのでどんな服を着て舞台に上がるかを考えていた。スーツ。サッカーとかバスケットボールの監督みたいにスーツで。いや違うな明らかに違う。いつもの感じでいいか。ちょっとだけ、普段より気取った感じで。みたいなことをぼんやり考えていた。
だが前の日に考えていた服装をしてしまった。ダンススタジアム冬季大会3ON3に、こんな感じでと考えていた黒のセーターとジャケットを着てしもうたのだ。あれっ、明日も同じはまずいよな。
よし。白のシャツにしよう。今年買った生地が少し厚くてシルエットは少しタイトな白シャツ。ベストを着たほうがよいかな。ウールのネクタイもしよう。そしてお気に入りのヘリンボーンツイードのジャケットで。ボトムスはLeeのブラックジーンズでよいだろう。
これで完璧。俺は顧問としての威厳を保つのだ。計画的に朝から行動した。
午後、巨大なクジラの臓器の中を走り回った。暑い。やることが多すぎる。あっちに行って、こっちに行って。ジャケットをすぐに脱いだ。そしてベストを脱いだ。ネクタイをはずした。それでも暑い。白シャツを脱ぐのか。そして、
Nowhere LandのTシャツを着た。これでは終演の舞台で生徒や卒業生と同じスタイルになる。それがもっともよいような気もする。寒くなったら初代ダンス部パーカーがあるではないか。
顧問として、舞台に立つときはまあこれぐらいのことは考えています。最初の計画とは全然違うことになったけどね。
巨大クジラの夢の舞台で。
Tシャツをもらいました。Tシャツマニアなのでとてもうれしいよ。
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